留学検討中の方によく読まれている記事
前編に引き続き、後編である8月から紹介していきます。
南半球に位置するオーストラリアは8月から冬に入ります。日本にはない珍しい行事も盛りだくさんの後半もお楽しみください。
August/8月
このころオーストラリアは真冬に突入します。それにともなって、学校でのイベントも特定のスポーツ以外は屋内で行うものが中心になっていくのが特徴です。
School Disco/スクールディスコ
オーストラリアでは年に数回、こちらも寄付金が目的のSchool Disco/スクールディスコが各学校で催されます。参加費は$2ほどです。
小学校は2学年ずつ、ハイスクールは全校で集まるディスコは、本当のクラブさながら先生たちが飾りつけをしてくれます。また、大音量でDJが音楽をかけてくれるため、結構本格的です。
放課後1度家に帰り、とびきりオシャレをして出ていく子供たちはお友達と一緒にとても楽しい時間を過ごします。
Spelling Bee/スペリングビー
子供たちに英単語を1つ伝え、その単語のSpell/スペルを答えるというものです。各クラスから3名ほどの代表者を担任の先生が選出し、学校大会を行います。
選ばれた子供たちは、全校生徒と保護者が注目する中、ステージの真ん中で正解と思ったスペルを大きな声で答えなければなりません。出場する子供たちはもとより、見ているほうもドキドキし思わず涙が出そうになるほどの緊張感です。
学校の代表になった子供たちは地域の大会に出て、その先へ行くとテレビでの大会に出ることができます。
Scripture Class
一般的な公立の学校では、キリストの教えを学ぶScripture/スクリプチャーの授業があります。
もちろんこれは親や家庭の希望で子供たちが受ける授業ですので強制ではありません。スクリプチャークラスを希望しない家庭の子供たちは、ボランティアの協力の下、Ethic/エシック、つまり道徳の授業に参加することができます。
September/9月
Term3/三学期もあと少し、9月の末から約2週間学校は冬休みに入ります。
平日は習い事が多く時間のない子供たちがこの休みを利用してPlay Date/プレイデート、子供同士が集まって遊ぶ日を計画することが多いです。普段学校でしか顔を合わせない子供たちにとってはこのプレイデートの約束はとても大事なもので、とても嬉しそうに早くから準備をします。
Father’s Day/ファザーズデイ
オーストラリアの父の日は、日本とは違い9月だということをご存知の方はあまりいないのではないでしょうか。
学校では父の日に向けてFather’s Day stallなどで盛り上がります。基本的には、5月の母の日と同じです。
お父さんのいない子供たちのために、おじいちゃんやおじさんも招待できるFather’s Day Breakfastをオープンし、父の日をお祝いします。
October/10月
最終学期のTerm4/4学期が始まります。子供たちが心待ちにしているクリスマスももうそこです。
街も急にクリスマスムードに変わります。このころのオーストラリアは日本と違い、だんだんと春に向かって暖かくなっていく時期です。学校ではキャンプなどの課外学習も増えていきます。
Head Start/ヘッドスタート
翌年度の小学校の新入生オリエンテーション、Head Start/ヘッドスタートが約5週に渡り行われます。これは、子供たちがより早く学校の環境に慣れるため、そして今どのくらいのことができるのかを学校側が確認するためのプログラムです。
オーストラリアの学校は日本でいう幼稚園の年長さんからKindergarden=0年生がスタートします。その年に6歳になる年齢を6月末で区切り(日本では3月末)入学手続きを行うのが一般的です。
しかし、ここで日本と大きな違いが生まれます。親の意向で「うちの子は身体も小さいし少し心配」というときに1年遅らせたり、反対に「うちは兄弟も多く、早くから1人でできる事も多く、早く就学させたい」と1年早めて入学を希望することが可能なのです。
そこで、学校側がその希望を受け入れられるかどうか(特に1年早くの就学に関して)を見極めるためにも、このヘッドスタートが設けられているのです。その間、親は別室にてオリエンテーションを受けるので、親子で安心して新たな学校生活に備えることができます。
小さな子供だけでは外出、留守番をさせてはいけない?
私が毎回日本へ帰国する際、心配になってしまうことがこれです。1人きりで狭い歩道をフラフラと歩いたり自転車に乗ったりしている小さな子供を見ると、大丈夫なのかな?と不安になってしまうのです。
オーストラリアでは、法律でその年齢を定めてはいませんが、小学生以下の子供たちだけで外出、留守番をさせるのは良くないとされています。オーストラリアは比較的治安が良いと言われてはいますが、それでも日本ほどではないので注意が必要なのかもしれません。
日本に住んでいる人から見れば少し過保護にも見えるかもしれませんが、これも国の違いということなのでしょう。
November11月
夏日が続くオーストラリアでは、夏のスポーツが始まります。代表的なスポーツはCricket/クリケットです。
日本ではなじみのないスポーツですがオーストラリアではラグビーに続き大人気のスポーツで、男の子であれば1度は遊ぶことになるスポーツといえるでしょう。
反対に、オーストラリアの女の子のスポーツをいえばNetball/ネットボールです。バスケットボールに似た競技で、こちらもとても人気の高いスポーツとなっています。
Rememberance Day/リメンバランスデイ
戦没者追悼記念日です。前にもあったAnzac Dayは戦争で亡くなったオーストラリアの軍人たちを追悼する日ですが、このリメンバランスデイはオーストラリアのだけではなくカナダやイギリスなどの国でも行われている記念日で、各学校では黙祷が捧げられます。
Grandparents Day/グランドペアレンツデイ
日本には敬老の日がありますが、オーストラリアではカレンダー上にそのような日はありません。
ですが、学校によってはこうした祖父母に感謝を伝えるようにしているところもあります。午前中に授業を参観し、リセス休憩に一緒にお茶をしてから記念に校庭に木を植えたりするイベントです。
December/12月
Term4も残すところあと少し、子供たちは学年の最終確認の授業内容を始めます。この頃になると、学校内でも子供たちはクリスマスが待ちきれないといった感じです。そして、ホリデーの予定をお互いに話し合います。
前述しましたが、こちらではスクールホリデーに宿題はありません。おまけに大掃除もないので、日本の子供たちに比べて気分が晴れ晴れとしているのはそのせいかもしれませんね笑。
卒業行事
小学6年生とハイスクール12年生は卒業行事が待っています。日本のように学校での大きな式典はなく、簡単に式を済ませて、その後に行われる盛大なパーティがメインです。
男女ともにドレスアップした子供たちはそれぞれのパーティ会場へ行き、先生や仲間たちと楽しい時間を過ごします。
さまざまなAward/賞で子供のやる気を伸ばします
日本の学校でも、「●●を頑張ったで賞」などがありますよね。オーストラリアの学校でも同じようなものがあります。
私の子供が通っている小学校では、何か良い行いをしたときにBronze/銅、Silver/銀、Gold/金の賞が与えられ、Goldを2枚もらうと、校長先生のところへ自らその賞を持って行き、Principal Award/校長賞を受け取ります。
そしてその学期に校長賞をもらった児童全員が、校長先生からピザランチに招待されます。
息子いわく、とても緊張するランチだったそうですが、校長先生に気にかけてもらえてとても嬉しかったそうです。小学生のやる気を伸ばすために、ちょこちょことした賞をたくさん与えるのはとても良いアイディアですよね。
おわりに
いかがでしたか。やはり国が違うと、学校のイベントも大きく違ってくるんだなぁということが伝われば嬉しいです。
こちらの学校は日本の学校より校則もゆるく、毎日の掃除もありません。私個人は、こちらの学校だけでは学べない、日本の礼儀や物の大切さなども肌で感じて欲しく、日本へ帰国した際には小学校へ通わせてもらっています。
大きな違いに子供本人は戸惑うことも多いようです。ぜひ皆さんも、留学やワーキングホリデーでオーストラリアにお越しになった際は、両者の違いと良いところをたくさんピックアップして、素敵な時間を過ごしてくださいね。
この記事を書いた人
Naomi D
高校2年生の1年間、オーストラリアへ留学。日本へ帰国後、大学を卒業、日本の企業へ就職しましたが、奇遇にも?オーストラリア人の夫と出会い結婚して、2011年にオーストラリアへ移住。
今は2人のボーイズに振り回される日々を送っています。たくましい今の私があるのは、高校のときの留学のおかげ。そんな留学とオーストラリアの魅力をあますことなくお伝えしていきたいです!