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オーストラリアのビーチはあたたかい季節になると、たくさんの人で賑わいます。どこまでも続く白い砂浜に、大きな波が打ち寄せ、あちらこちらにサーファーが波乗りをしている姿を見ていると、充実した時間を過ごすことができるでしょう。
日本ではあまり見かけないリゾート気分の味わえるオーストラリアのビーチを楽しく安全にエンジョイしてもらえるために、ここではビーチで役立つ情報をお伝えしていきたいと思います。
オーストラリアのビーチに行くなら知っておきたい“SLSC”って?
SLSCとは“Surf Life Saving Club”の略で、一般的にはSurf Club/サーフクラブと呼ばれています。活動内容は、海での事故の防止そして人命救助です。
小さなビーチではボランティアの『ライフセーバー』が主に活動していますが、大きなメインビーチになると、ボランティアのライフセーバーと一緒に、『ライフガード』と呼ばれるライフセイビングを職業とする人たちが勤務に就いています。ビーチでの活動場所は、赤と黄色の旗が立っている付近に設置されたテント、そして少し高いところにある監視塔です。
何か困ったことがあればそちらへ行ってください。
子供のときから海について学ぶ、SLSCが開いているNippers
6歳になる年から、地元の子供たちはローカルのSLSCに所属し、10月~3月の間、毎週日曜日の早朝に開催される“Nippers/ニッパーズ”という活動に参加します。このNippersでは、海というものを勉強し、波の流れや状況判断、そして遊んだりする上での注意事項などを学ぶ活動です。
実践活動では、ビーチフラッグや波の中を潜り抜けるダックダイブの練習、レスキュー用サーフボードでのレースなど、それぞれの年齢に合ったライフセービング活動・トレーニングを行います。日曜日の早朝に活動しているNippersですが、もしビーチに遊びに行った際トレーニングに遭遇した場合は、午前中には終わりますのでなるべく活動の邪魔にならないようにしましょう。
オーストラリアのビーチで忘れてはいけないことって?
オーストラリアのビーチは、日本では感じることのできない開放感が溢れている場所です。気分が盛り上がって、はじけてしまいたい人も多いと思います。
もちろん私としても、せっかくオーストラリアに来たのだから、思いっきりビーチを楽しんでもらいたいです。一方、少なからず注意しておかないといけないポイントがいくつかあります。
以下で紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
想像する以上の紫外線
すでにご存知の人も多いかもしれませんが、オーストラリアは紫外線がとても強い地域で、世界でも皮膚がん発生率が高い国です。リゾートに来たから、ちょっと日焼けしたいなぁなんて日焼け止めを塗らずにビーチへ行くのは、大変危険な行為になります。
「日本の屋外で日焼け止めを塗らずBBQして、真っ赤になってしまった…」というレベルではありません。下手をすると火傷レベルになってしまうオーストラリアの紫外線は、日焼け止めで必ず食い止めるようにしましょう。
オーストラリアではスーパーやコンビ二、薬局でも、水に強いSPF50+のものが買えますので、必ず持って行き2~3時間おきには塗り直すようにしてくださいね。そして浜辺にいる間は、頭皮も紫外線から守るように帽子をしっかりかぶりましょう。
日焼け止めを忘れてしまったときは、ライフセーバーのテントへ行けば貸してくれることもあるので、たずねてみてください。
サインを必ずチェック
白い砂浜に波がザブーンという音を聞いたら、そのままダッシュで水に飛び込んでしまいたいですよね。
ですが、オーストラリアのビーチに着いたらまず1番にして欲しいことがあります。それが、サイン/看板のチェックです。
ライフセーバー・ライフガードのテント付近へ行くと、その日のビーチの状況が以下のような感じで書かれています。
Current…潮の流れ
Close…波が高い・荒い/大潮などのため遊泳禁止
Water Tempreture…水温 など
遊泳には適していません、という場合にもその理由などが書かれてありますので、しっかりと読むようにしましょう。
知っておかないと大変なことに!危険な生き物
先ほど紹介した、ビーチのサインにも書かれていたり看板が立っていたりするのが、ビーチでの危険な生き物です。中には色がとてもキレイで、つい触ってみたくなるものもいますが、触ってしまうと病院行きになることもあるので、むやみに触らないほうがいいでしょう。
Bluebottle/カツオノエボシ…私自身初めて見たときは、なんてキレイでかわいらしい生き物なんだろう、とじっと見つめたことを思い出します。知らずにそっとすくってみたいほどキレイな見た目のカツオノエボシですが、刺されると激しい痛みに長時間耐えることになります。ビーチに大量に打ち上げられていることもあるので、そんなときは絶対に遊泳しないようにして下さい。
Chironex/オーストラリアウンバチクラゲ…海のスズメバチとも言われているオーストラリアウンバチクラゲはかなりの猛毒を持ったクラゲで、刺されると命の危険があります。最近ではこのクラゲ対策にビーチ沖にネットが張られているところもありますが、100%安全だとは言えないのが現状です。
Blue Ring Octopus/ヒョウモンダコ…最近では、日本でも目撃されることがあるヒョウモンダコ。興奮すると威嚇のために青いヒョウ紋が浮き出る猛毒タコです。ビーチでは岩場にいることが多いので、岩場の水溜りなどの近くに行くときは靴を履いて行く事をオススメします。
Shark/サメ…クラゲ同様、サメよけのネットが張られてはいますがどこのビーチでも年に数回、サーフクラブの目撃情報から警告が出されます。サメの接近情報が入ったビーチでは大きな音でサイレンが鳴り、水に入っている人全員へすぐ水から出るようにと指示が出ますので、速やかに陸へ避難するようにしましょう。
Crocodile/イリエワニ…めったに遭うことはないと思いますが、オーストラリアの北部のビーチでは、川から海へワニが泳いで出てくることがあります。ビーチに出ている看板をしっかりチェックしてから遊ぶようにしてください。
どの生き物も、日本人にとっては珍しく興味の沸いてしまうものもいるかもしれません。ですが、ここで紹介した生き物はとても危険度の高いものばかりです。
間違っても興味本位で近づいたり、触ったり絶対しないようにしましょう。
ビーチでの基本のルール“Swim between the flags.”
オーストラリアの人気テレビ番組の1つに『Bondi Rescue』という番組があります。Bondi Beach/ボンダイビーチはシドニーにあり、ローカルの人はもちろんさまざまな国からの観光客からも大人気のビーチです。
こちらは、そこで起こる色んなドラマやアクシデントを撮影した番組で結構人気があります。特に多いのが“Swim between the flags/旗と旗の間で泳ぐ”という基本のルールを守らなかったために起こる事故です。
ビーチには数種類の旗が立っています。注目して欲しいのは赤と黄色の旗、「この間は遊泳に適しています」というサインです。その日、そのときの波の状況によって場所が変えられ、その付近ににライフセーバーが待機するテントが張られています。
この旗から外れたところは、素人目では確認が難しいカレント/潮の流れによって知らないうちに沖へ流されてしまい、戻って来れなくなる可能性が大です。ピークシーズンでは混雑を避けたい気持ちも分かりますが、オーストラリアのビーチで泳ぐ際は必ずこの赤と黄色の旗の間で泳ぐようにしてください。
一方、どんなに気をつけていても、相手は大自然です。何かしらのタイミングで事故は起こってしまいます。
ですが、そんなときでも慌てず落ち着いて手を大きく振りましょう。これは、助けを求めるサインです。そして、なるべく手を振り続け、ライフセーバーに知らせてください。必ず助けに来てくれます。
日本人が特に気をつけたいことは?
普段、世界一治安の良い国で生活している日本人は、特別危ないといわれている国でない限り危機感があまり湧きません。
オーストラリアはとても開放的で、人懐っこい人が集まるゆったりとした国柄です。そんな雰囲気の中でビーチにいると、気持ちがゆるんでしまうこともあるでしょう。
そこで気をつけたいのが、持ち物についてです。できればビーチへは貴重品を持っていかない、というのが1番良いのですが、そういう訳にもいきません。とにかく現金は必要なだけにして、カードなどはできれば持たないほうが無難です。
どうしても持ち歩かないといけないときや携帯電話などがあったりする場合は、なるべく遊んでいるところから見える範囲にバッグを置いて、いつでも確認できるようにしておきましょう。参考までに、私たちがローカルのビーチへ行くときは、いかにも貴重品は入っていませんよという雰囲気を出すために、スーパーのバッグに子供のタオルや着替え、オムツなどに包んで入れてカモフラージュしています。
それでも運が悪ければ取られてしまうのでしょうが…、あからさまにブランド物のバッグからお財布が覗いているよりは安全です。
おわりに
オーストラリアのビーチを、安全に楽しんでもらうための情報をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
オーストラリアンビーチは日本のビーチよりも広く、雰囲気も最高です。ちょっとだけ気を張ることを忘れず、日焼け止めをしっかり塗って、そしてローカルのルールを守って思い切り楽しんでもらえたらと思います。
この記事を書いた人
Naomi D
高校2年生の1年間、オーストラリアへ留学。日本へ帰国後、大学を卒業、日本の企業へ就職しましたが、奇遇にも?オーストラリア人の夫と出会い結婚して、2011年にオーストラリアへ移住。
今は2人のボーイズに振り回される日々を送っています。たくましい今の私があるのは、高校のときの留学のおかげ。そんな留学とオーストラリアの魅力をあますことなくお伝えしていきたいです!