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日本人は小さい頃から礼儀やマナーについて日常的に学びます。特に厳しい家で育ったわけでもないのに、世界のどこへ出ても恥ずかしくない礼儀は備わっていると密かに自負がある人は私を含め、多いと思います。
それでも、国が違えばもともとのルールが違うことも。今回は、私が実際に経験した失敗談を含め、日本人がオーストラリアへ行った際、気をつけたいことをご紹介します。
食べるのは人間の基本、日本とは違うルールは?
毎日3回食べる食事。ローカルの人と一緒に食べることもあるでしょう。相手が食べるようにマネをしなさいと言われたこともありましたが、じーっと相手の手元を見つめるのも不自然です。
そんなとき、日本人が知っておきたい基本のルールがこちら。
ナイフやフォークなどベーシックなテーブルマナー
オーストラリアは日本食をはじめとして、アジアン料理などお箸を使って食べる場面が意外にも多くあります。しかし、やはりベースはナイフとフォークです。
ナイフは右手(利き手)フォークは左手(ナイフの反対の手)に、というのは日本人でも知っていることですが、少し良いお店に行き席についたとたん目の前のテーブルに並ぶナイフとフォークの数に驚くことがあるかもしれません。
細かいルールは知らなくても大丈夫です。とにかく、「外に置いてあるものから使っていく」ということだけでも覚えておくといいと思います。
みんなで分け合う感覚で失敗することも
日本では一般的な家庭でも、外食のときでもみんなで何品かをシェアして食べることがよくあります。よりたくさんの種類が食べられるという利点もあり、日本では当たり前のことですよね。
しかし、オーストラリアでは基本“自分の食べるもの”を注文します。ワンプレートに野菜やメインが全て1人分サーブされていることもその理由なのかもしれません。
ですが、もちろん飲茶や焼肉のようなBBQスタイルの場合はシェアをすることもありますので、不安なときは「今回は自分のものを頼むのか、シェアスタイルなのか教えてもらえますか?」と、となりの席になった人にこっそり聞くのもいいでしょう。
シェアスタイルの場合は、自分のフォークやスプーンは使わず、必ず取り分け用のサーバーを使ってください。
うっかりやってしまう編
日本のマナーや常識から見れば、やって当然、むしろ相手を気遣い、思いやっていることが海外へ出ると失礼にあたってしまうことは意外にもあります。
ここでは、うっかりやってしまいがちな、癖になってしまっている可能性のある習慣についてピックアップしてご紹介しましょう。
鼻はすすらないで
風邪気味のときや花粉症の季節には、鼻水に悩まされます。日本では、チーンとかむほどでもないとき、無意識にすする人も多いでしょう。
スッと音が出ない程度にすすることは問題ありませんが、ズズズーっと思いっきり鼻水を吸い込んでしまうのはちょっと要注意。失礼というよりも、気分を害してしまうといったほうが適切かもしれない行為になってしまいます。
ではどうすればいいのかといえば、日本では逆に恥ずかしく感じるかもしれませんが、鼻を思いっきりかんでしまいましょう。
ここでもう1つ注意したいのが、別の記事でも紹介しましたがティッシュなどの紙製品は、オーストラリアでは高価なものです。鼻が出ている人は、ハンカチを持っていて、それで鼻をかんだあとポケットにしまい、また使っているのを見てカルチャーショックを受けたこともあります。
もちろんティッシュを使う人もいますし、自分で持ち歩いているティッシュはいくら使っても構いません。しかし、誰かのお宅に招待された際は日本にいる感覚でどんどんティッシュを使わないように気をつけましょう。
ゲップも要注意
私が留学した20年ほど前に受けたレクチャーでは『海外でのゲップはオナラに相当する下品な行為です』と教えられた覚えがありますが、実際はオナラほどではありません笑。ですが、日本でゲプっとするのとはちょっと違うのは確かです。
男性が仲間とパブで飲んでいる最中にしているのは笑いでごまかされますが、基本的にはなるべく音にならないよう、小さくゲップするようにしましょう。
Excuse meを上手に使って
くしゃみや咳、鼻をかんだりゲップをしてしまったときは必ずExcuse meを小声で、でもはっきりといいましょう。
誰かがくしゃみをした時はBless you/ブレスユーと一言かけてください。逆にいわれたときにはThank youを忘れずに。これらもマナーの1つです。
それぞれの家の事情がたくさん
お友達のお宅やホストファミリーでのステイをする人は、そのお家ごとのルールをあらかじめ聞いておくことが大事です。
日本では考えられないようなことがあったりなかったり…そんなルールを少し紹介しましょう。
海外=土足のイメージ?
ドラマや映画などで目にする海外の生活はほとんどが土足のイメージです。確かにオーストラリアでも土足でOKな家庭がたくさんありますが、決して全ての家がそうではありません。
まず、玄関先に置いてあるドアマットで靴底をきれいにしたら一言「Should I take my shoes off?/靴を脱いだほうがいいですか?」と聞きましょう。ただし、土足でどうぞといわれたからといって、靴で自由にしていいわけではありません。
例えば、ベッドへ寝転ぶときには、汚してしまう可能性もあるので脱ぐようにしましょう。
シャワーに時間制限?
地域や季節によっては、深刻な水不足になったことがあるオーストラリアでは、一時期植物への水やりや洗車などに曜日が指定されていたことがあるほど水を大切にします。最近はそこまでではないものの、水に対する意識は変わっていません。
少し地方に入ると、各家庭が自分達の貯水タンクを所有していて、雨水を溜めて浄水し使っている家もあります。また、お湯は湯沸しタンクで沸かし、1日の使用量が決まっていたりと細かいルールがある場合もあるでしょう。
日本で長風呂が好きな人は特に注意しておかないと、家族全員分のお湯を使ってしまった…などという事件を起こしかねません。ちなみに、私がホームステイしたお宅では、シャワーは1人5分までというルールがありました。
慣れるまでは、大急ぎで浴びていたのを思い出します。
Yes、Noはハッキリと伝えよう
気付いてない日本人が多いですが、無意識のうちに曖昧な答えをしてしまっている場合があります。
これは日本にいるのであれば全く問題はなく、相手もその曖昧な答えから傾聴してくれることがほとんどです。結果こちらの意味する答えは伝わります。
しかし、こちらではそうはいきません。もっと分かりやすくお伝えするために、私の友人が実際に体験したお話をしましょう。
オーストラリアでホームステイを始めた頃、ホストシスターに「来週友達のバースデーパーティーに行くけどあなたも一緒に行かない?」と誘われました。「その日は学校終わりに行きたいお店があるの」と答えたところ「ん?ってことは、来るの?来ないの?」と返ってきました。
この会話、もし日本人同士だったら【行きたいお店があるの→パーティーには行けそうにない】と理解されるますよね。一方、こちらではその後に、「だから行けないのか、終わり次第いくのか、遅れてでも行くのか」、つまりYesなのかNoなのかをはっきりと伝えないといけません。
相手に気を使い、本音と建前を上手く使い分けて成長する日本人には「少しストレート過ぎるかな?」と感じるはずです。しかし慣れると、この方が実は楽だったりもしますので、ビックリせずゆっくり慣れていきましょう。
おわりに
日本では大丈夫だけど、オーストラリアでは要注意なことをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
うっかりとやってしまいそうなことから、言葉の言い回し方までいくつか取り上げました。これらは、みんな日本を出てすぐに出来るものばかり、気付くものばかりではありません。
少しずつ現地の生活や文化に慣れていきルールにそっていく中で、そういえばこういうのを聞いたことあるなと、みなさんの心のどこかに覚えていてもらえると嬉しいです。
この記事を書いた人
Naomi D
高校2年生の1年間、オーストラリアへ留学。日本へ帰国後、大学を卒業、日本の企業へ就職しましたが、奇遇にも?オーストラリア人の夫と出会い結婚して、2011年にオーストラリアへ移住。
今は2人のボーイズに振り回される日々を送っています。たくましい今の私があるのは、高校のときの留学のおかげ。そんな留学とオーストラリアの魅力をあますことなくお伝えしていきたいです!